介護士ができる医療行為

介護士ができる医療行為について多くの方が疑問に思うのは、どのようなケアが許可されているかという点です。介護現場で見られる様々なケア活動の中には、特別な許可や資格がなくても行える医療行為があります。これらは利用者の日常生活を支援する上で重要な役割を果たしており、厚生労働省の通知により明確に定められています。

まず、爪切りは介護士が行える代表的な医療行為の一つです。ただし、爪に異常がなく本人の容体が安定している場合に限られます。高齢者の中には自身で爪を切ることが困難な方も多く、定期的な爪の手入れは清潔を保つ上で欠かせません。口腔ケアも同様に許可されているケアで、重度の歯周病等がない場合に限り実施可能です。口内を清潔に保つことで口臭の予防や食事の味わいを良くするだけでなく、口内感染症の予防にもつながるでしょう。耳掃除についても、耳垢が完全に耳をふさいでいない場合に限り、介護士が行うことができます。

しかし、浣腸については注意が必要です。市販の浣腸器を用いた浣腸は、医療行為にあたるため介護士が行うことはできません。これは厚生労働省の通知で明確に禁止されており、医師や看護師など医療従事者のみが実施可能な行為となっています。このような医療行為を適切に、そして安全に行うためには、常に最新の知識を更新し、利用者一人ひとりの状態に合わせた配慮が求められます。介護士は法的な制限を理解した上で、許可された範囲内でより良い支援を目指すことが大切でしょう。